初雪
今日、東京では今年最初の雪を観測。
昼下がり、上司の目の届かぬ時にこっそり職場の窓から外を見ると、無機質な都市を白い雪がどこまでも覆っていた。
こんなに降るのは4年ぶりだという。
確かに4年前もかなり積もって、電車等の交通機関に支障が出ていたような気がする。
北に行けば雪なんていつでも見ることが出来る。
それこそゲレンデに行けばそこには必ず雪がある。
でも、東京で見る雪は、何となく特別な感じがする。
東京は基本、自然との共存を良しとしていないところがある。最近でこそ「緑あふれるまちづくり」を謳った建設業が盛んだが、それでもそこにある「緑」は、人間の手によって飼いならされることを前提としている。この都市は、自然ですらも自らの手によって掌握しないと気が済まないのである。
でも、雪はそれでも勝手に降り積もっていく。
予測できない自然の訪れに、人々は手をこまねき、交通機関は乱れ、翻弄される。
翻弄されながも懸命に街の機能を捨てまいと奮闘する。
東京の雪が私にとって特別なものに映るのは、自然に対しての抗いを感じさせるからではないか、と考える。
雪は今晩未明には止み、明日の朝からは晴れるのだという。
アスファルトで覆われたこの都市から雪が消えるのは、あっけないほど早いものだろう。
とんだ来客だった。
次はいつ私達を困惑させてくれるだろう。
私は早速胸が躍るのであった。